幕張メッセの展示会で感じた、小さな違和感と大きな現実
当社は10月22日(水)から24日(金)まで、幕張メッセで開催された展示会に初めて出展いたしました。
ブースはマーケティング関連の企業が集まるエリアで、メールの到達性に関わるサービスとして、ドメインウォームアップとメールクリーニングサービスを皆さまに紹介させて頂く機会となりました。
お立ち寄りいただきました皆さま、ありがとうございました。3日間を通じ、実際に感じたことを備忘録として残しておきます。
メール到達に関する危機感へのギャップ
マーケティング担当者の多くは、「メール施策」を当然の前提として捉え、「メールが届かない」という事象に危機感を持っていないということです。
名刺交換ならびに収集を行えば、その翌日にはメール配信が始まり、リードが育つはずだと考えているようです。しかし現実は大きく違います。
隣のブースで見た「届かないメール」の現実
展示会の隣のブースに出展していたMAツール提供事業者と名刺交換を行ったのですが、翌日に早速メルマガが届くようになりました。
行動としては素晴らしいですが、そのメールは残念ながら迷惑メールフォルダに振り分けられていました。これは、営業担当者がリード獲得を頑張れば頑張るほど、
「当社のサービスを通じて、メールはお客さまに届きません」
というメッセージを自社サービスが発していることになってしまうという、非常に皮肉な状況でした。
セキュリティ強化の裏で「届かないメール」が常態化している
メールがビジネス成果の根幹を支えている一方で、そのメール自体が受信BOXに届かないケースは急増しています。
GoogleやMicrosoftをはじめとする主要メールサービスは、なりすまし対策である送信者認証の厳格化を進めており、ガイドラインに準拠しないメールは受信前段階で排除される仕組みになりつつあります。
展示会の最終日に実施した、NHK ONEのメールが届かない理由の解説セミナーでは、この現状を共有したのですが、営業・マーケティング担当者の反応は想定以上に鈍いものでした。
残念ながら届かないことが「自分ごと化」されていない印象が強く残りました。
一方で、システム開発やセキュリティ担当者とは深い議論が交わされ、「メールは最大の侵入経路」であり、
- アサヒビールHD
- アスクル
ランサムウェア被害のように、攻撃起点はメールの可能性が高いく、メールのセキュルティーレベルあがり、どんどんメールが届かないという危機感が一致していました。
つまり、「メールはマーケティングの武器であると同時に最大のセキュリティリスク」。この二面性への理解が、営業・マーケ側とシステム側で大きく乖離しているのが現実です。
多くのシステム担当者が口をそろえて言うのは
「営業・マーケ担当者はメールが届くことを軽く当然視しすぎている」
ということでした。
しかし、届かないメールに投資していては、どれだけ効果的な施策を企画しても成果にはつながりません。「意識の低さ」が最も大きなボトルネックであると痛感した場面でした。
メールを軽視した瞬間にビジネス成果は悪化する
今、ビジネスメールを取り巻く環境は、次の3つの流れが加速しています。
- セキュリティは間違いなく日々厳格化
- メールはより届きにくくなる
- だから到達率に対する対策が必要
メールを軽視した瞬間、ビジネスの成果は間違いなく悪化します。メールマーケティングの本質は
「自分が届けたい価値(メッセージ)を届けたい相手に、きちんと届ける。」
その非常にシンプルな行為が、実は最重要な投資です。メールがビジネスの入り口である限り、届かない施策に価値はありません。
今こそ「メールの到達性」を経営課題に
営業ならびにマーケティングに従事している全従業員の意識をあげるには時間がかかると思いますが、少なくともマネージメント層についてはもう一段、意識を引き上げる時期が来ていると感じさせられた3日間でした。
メールが受信BOXに届ける責任を”システム部門任せ”にするのではなく、
「ビジネスの成果を左右する最重要インフラ」
として、マネジメント層が危機意識を持つことが、今後のメールマーケティング施策の成否を分けることは間違いないと改めて申し上げます。