メールがお客さまに届かない原因と、2026年に必須となる対策とは
2025年は、メールマーケティングに携わるすべての企業にとって、大きな転換点となる1年でしたね。
GoogleやMicrosoftなどのインターネットサービスプロバイダー(ISP)が、送信者ガイドラインを大幅に厳格化したことにより、「メールを送れば届く」というこれまでの常識が通用しなくなっています。
私がセミナーなどでよく申し上げている例えですが、
「平成の時代は、マンションに入って簡単にチラシのポスティングが出来たが、令和の今は難しい。これと同じく、セキュルティーレベルが一気に上がっています!」
という事象と本質的には同じなんです。
そして迎える2026年。この傾向が緩和されることはなく、サイバー犯罪の攻撃者が攻撃を仕掛ければ仕掛けるほど、受信ボックス側のセキュルティーレベルは上がっていきます。
それに伴い、GoogleやMicrosoftが「こうやってメール配信してください」というルールを順守しないメールは、お客さまの受信ボックスに到達することなくブロックされる可能性が高まっています。
要は「コンプラ違反は受信BOXに入れません」ということです。
今回は2025年の変化を振り返りつつ、メールの到達率を左右する重要な技術的要因と、当社(株式会社プリモポスト)が提供する解決策について詳述します。最後までお読みいただけると幸いです。
2025年はGoogleとMicrosoftのガイドライン厳格化された
2024年から2025年にかけて実施された規制強化は、単なる「推奨事項」の追加ではなく、送信者に対する「義務」の提示でした。
この規制強化の結果、適切な設定を行っていない送信者は、明確にペナルティを受ける環境へと移行しました。
Google「メール送信者のガイドライン」の義務化
GoogleはGmailアカウントへのメール送信者に対し、セキュリティ要件を厳格化しました。特に1日5,000通以上を送信する一斉送信者に対しては、次の要件が必須となっています。
SPF、DKIM、DMARCの完全対応
SPFはメール配信時に利用する送信元情報(IPアドレス等)をDNSサーバーに登録する内容。いわば住民票です。
また、DKIMはメールが改ざんされないための鍵の登録。いわば印鑑証明書です。DMARCは前述の2つが偽造された場合の指示書と理解ください。
これまではいずれかの対応で許容されるケースもありましたが、現在はこれら認証技術の適切な実装が求められます。2025年以降はメール送信者にとってMUST案件です。
ワンクリックでの登録解除
メールヘッダーにList-Unsubscribeを含め、受信者が容易に購読を停止できる仕組みの実装が必要です。多くのメール配信サービスで機能がありますので、必ず設定するようにしてください。
これがないだけでメール送信用のドメイン評価が一気に悪化することも確認しております。
迷惑メール率の閾値(0.3%)の厳守
Google Postmaster Toolsで計測される迷惑メール率を0.1%未満に維持することが推奨され、0.3%を超えた場合はメールが拒否されたり、迷惑メールフォルダに振り分けられたりするリスクが格段に高まります。
これらの要件を満たさない場合、正当なビジネスメールであっても、Google側で完全にブロックあるいは、受信を規制すると2025年11月にガイドラインのFAQを更新しました。
Microsoft(Outlook)におけるセキュリティ強化
Googleの動きに呼応するように、2025年5月にMicrosoftもOutlook.com等のコンシューマー向けサービスに対し、同様のセキュリティ強化を実施しました。
外部送信者からのメールに対し、DMARCポリシーの確認プロセスを厳格化し、未認証メールのブロックを加速させています。
これまで何の問題もなく届いていたメールが突然届かなくなる背景には、こうしたプラットフォーマー側のセキュリティ基準の引き上げがあります。
2026年は、この基準が「最低ライン」となり、AIによるフィルタリング精度の向上とともに、選別はさらに厳しくなることが予想されます。
【2025年5月から施行】Outlookもメール認証(SPF・DKIM・DMARC)が義務化で、迷惑メール対策がさらに厳格
メール到達率に影響を与える3つの主要因
メールが届かない原因調査を進めると、多くの企業で共通する課題が見えてきます。単にDMARCレコードを公開するだけでは解決しない、複合的な要因が存在します。主に以下の3つのポイントが到達率を阻害しています。
1. 認証設定の不備と複雑化する要件
「SPF、DKIM、DMARCの設定は完了している」と認識している企業でも、その設定内容が技術的に不完全であるケースが散見されます。
SPFレコードのルックアップ制限(10回制限)
SPFには、DNSルックアップ回数が10回までというRFC上の制限(お作法)があります。
複数のSaaSや配信ツールを利用するためにinclude記述を重ねた結果、この制限を超過し、SPFエラー(PermError)を引き起こしている事例が多く見られます。
DKIM署名の欠落
利用している全ての配信経路でDKIM署名が行われている必要があります。一部のツールで署名が漏れている場合、その経路からのメールは信頼性が低いと判断されます。
DMARCポリシーの脆弱性
導入初期の「p=none(何もしない)」設定のまま長期間放置されているケースです。
Google等は、将来的により厳しいポリシー p=quarantine:迷惑メールフォルダ行き または p=reject:受信拒絶 への移行を求めており、監視モードのままでは十分な信頼性を獲得できない可能性があります。
2. ESP(メール配信サービス)と配信経路の課題
利用しているメール配信サービス(ESP)の品質や、配信経路の仕様も到達率に大きく関わります。特に技術的に難解なのが「転送」に伴う問題です。
共有IPアドレスのリスク
安価なESPを利用している場合、同じIPアドレスを共有する他の利用者が迷惑メール送信行為を行うと、IP自体のレピュテーション(評価)が下がり、自社のメール到達率に悪影響を及ぼします。
SendgridやAmazon SESという海外の大手SMTPリレーサービスも共有IPの場合は、低品質なIPを付与される可能性があります。
転送によるSPFレコードの不一致問題
お客さまがメールを別のアドレスへ自動転送している場合、送信元ドメインは貴社のままであっても、実際に転送メールを送信するサーバー(IP)は転送経由のものになります。
結果、受信側では「ドメインとIPが一致しない」としてSPF認証に失敗します。
例えば、さくらインターネットで受信をしてGoogle Workspace(Gmail)にメールを転送しているような事例です。
これを防ぐにはDKIM署名が転送過程でも正しく保持されていることが必須ですが、配信経路やESPの仕様によっては署名が破損し、結果としてDMARC認証も失敗してメールが消失するケースがあります。
3. 配信リスト管理不足による送信ドメインの評価悪化
「保有しているリスト全員に送る」という運用は、現代のメールマーケティングにおいて非常に危険です。リストの品質管理を怠ると、ドメイン自体の評価を著しく損ないます。
ハードバウンス(宛先不明)の放置
すでに存在しないアドレスにメールを送り続けることは、プロバイダーに対し「リスト管理を行っていない迷惑メール送信者」であるというシグナルを送ることになります。
バウンス率はソフト・ハード含め3%以内に収める必要があります。
スパムトラップへの接触
長期間利用されていないメールアドレスは、ブラックリストの管理事業者によって「スパムトラップ」として再利用されることがあります。
このスパムトラップは非常に厄介なメールで、見た目では違和感がないメールアドレスで、さらにエラーが発生しない設定をされていることが多く、取り除くのが非常に困難です。
ここにメールを送信してしまうと、即座にブラックリストに登録されるリスクがあります。
使い捨てメールアドレスの放置
問い合わせや資料請求に使い捨てメールアドレスを使われるケースが多々あります。このメールアドレスは、スパムトラップ同様にエラーを発生させない設定をしているケースが多いです。
メール開封されることもなく、メールクリーニングサービスを活用することでしか、取り除くことが出来ない状態になっています。
株式会社プリモポストが提案する到達率改善のアプローチ
このような
- 送信者ガイドラインの順守状況の確認
- 送信サービスの状況確認
- メール配信リストの状況確認
を個別の対策を行うだけでは根本的な解決には至りません。当社はこれらを包括的に診断・解決するトータルソリューションを提供し、未到達になる原因調査を行っています。
現状の正確な把握を「Google PostmasterTools」と「PowerDMARC」で実施
まず、現在メールがどのような状態で配信され、どう評価されているかを可視化します。
Google Postmaster Toolsの活用
Gmailに対する到達率、迷惑メール報告率、送信者ガイドラインに対する順守状況が確認できます。Google自身が提供するデータであるため、現状を把握する上で最も信頼できる指標となります。
PowerDMARCによる認証フロー解析
DMARCレポートを解析し、世界中のどのIPから自社ドメインのメールが送信されているかを可視化します。意図しない「なりすまし」の検知や、設定漏れのある配信ツールの特定を迅速に行います。
外部評価の監視:ブラックリスト掲載の確認
メールが届かない致命的な原因の一つに、IPアドレスや送信ドメインのブラックリスト登録があります。
プリモポストでは、主要なRBL(Real-time Blackhole List)への掲載状況を確認します。もし掲載が確認された場合は、その原因(不正な中継やリスト品質の問題など)を特定し、解除に向けた対策を支援します。
メール配信リストの適正化:メールクリーニングサービス
低品質なメール配信リストを使い続ける限り、サーバー設定を最適化しても到達率は向上しません。
メールクリーニングサービスは、実際にメールを送信することなく、相手先サーバーへの照会を通じてアドレスの実在確認を行います。
- 存在しないアドレスの削除
- スパムトラップのリスク回避
- 一時的なエラーアドレスの選別
これにより、バウンス率を低減させ、ドメインレピュテーションの回復と維持を実現します。
PowerDMARC代理店契約開始と特別キャンペーンのお知らせ
2026年の厳しいメールセキュリティ環境に対応するため、株式会社プリモポストは新たなソリューションとして、2025年12月より、世界的なDMARC解析ソリューション「PowerDMARC」の正規代理店としてサービスの提供を開始いたしました。
なぜPowerDMARCが必要なのか
DMARCレポート(XML形式)は非常に読み解くのが難しく、専門的な知識があってもほぼ無理です。メールを受信しているGoogleやMicrosoft、docomoなどから毎日データが送られてきます。
PowerDMARCはこれを直感的なダッシュボードに変換するだけでなく、運用上の課題を解決する強力な機能を備えています。
- Hosted DMARC・SPF・DKIM:DNS設定をPowerDMARC上で管理することで、前述した「SPFの10回制限」を自動的に回避する機能などを利用できます。DNSレコードを直接編集するリスクを減らし、安全な運用が可能になります。
- AIによる脅威インテリジェンス:攻撃者のIPを特定し、迅速な対策を可能にします。
- アラート機能:設定不備や急激な認証失敗の増加などを検知し、即座に通知します。
先着100事業者さま限定の特別価格を提供
PowerDMARCの取り扱い開始を記念し、また、2026年に向けてセキュリティ対策を強化したい事業者さまを支援するため、特別な導入プランをご用意しております。
ツールの導入だけでなく、プリモポストの知見を活かした設定支援を含めたパッケージとなっております。
- 「設定が複雑で不安がある」
- 「自社だけで運用できるか心配」
という事業者さまも、安心してご導入いただけます。
最後に
メールは、ビジネスにおいてお客さまと繋がるための最も重要なライフラインの一つです。しかし、そのライフラインを維持するためには、かつてないほどの技術的配慮と管理運用が求められる時代になりました。
2026年、メール受信BOXはお客さまにとって、より安全でクリーンな場所になります。それは同時に、適切な対策を行わない送信者が排除されることを意味します。
- 認証設定
- ESPなどの経路対策
- リスト管理
この3つの要素を高いレベルで維持することが、確実な到達への唯一の道です。
株式会社プリモポストは、トータルでの原因調査と対策実行により、貴社のメールをお客さまの元へ確実に届けるためのサポートを行います。
メールの到達性やなりすましにお悩みではありませんか?
「自分のメールアドレスからメールが届く」「メールが迷惑メールフォルダに入る」など、メール配信に関する課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。