吉報!GoogleがBIMIのサポート強化。Common Mark Certificate(CMC)で中小企業のブランド力アップを支援
BIMI(Brand Indicators for Message Identification)は、メール送信者がブランドの信頼性を高め、メールの受信者が正当な送信元を簡単に識別できるようにするための認証技術です。
特にBIMIを使用すると、ブランドのロゴが認証され、メールのヘッダーに表示されるため、フィッシング攻撃やスパムメールのリスクが軽減され、受信者はメールに対する信頼性を高めることができます。
2021年にGoogleが最初にBIMIをサポートした際には、Verified Mark Certificate(VMC)を使用して、商標登録されたブランドロゴを認証する必要がありました。しかし、商標登録にはコストや手間がかかるため、特に中小企業や新興ブランドにとってBIMIを導入するハードルが高い状況が続いていました。
2024年9月24日(火)、Googleは新たにCommon Mark Certificates(CMC)をサポートし、商標登録を持たないロゴでもBIMIに対応すると発表いたしました。
GmailのAndroidおよびiOSアプリケーションで認証されたブランドロゴを表示することが可能になり(Apple Mailや他のメールアプリケーションではサポート対象外)、BIMIの利用が広がることでより多くの企業がこの技術を活用してメールの信頼性を高めることが可能となります。
https://workspaceupdates.googleblog.com/2024/09/gmail-additional-bimi-protections.html
BIMIと商標登録が必要なVMCが使われるようになった背景
Verified Mark Certificates(VMC)は、商標登録されたロゴを使ってメールの信頼性を証明するための証明書です。
企業はこの証明書を使用することで、Gmailなどの主要なメールプロバイダーで、認証されたブランドロゴをメールのヘッダーに表示でき、結果メールの開封率向上やブランドの認知度を高めることができます。
しかし、VMCを取得するためには、自社のロゴを正式に商標登録するハードルがあります。
昨今、日本における商標登録は、半年程度の時間とコストがかかるプロセスであり、中小企業にとっては大きな負担です。このため、VMCの利用は主に大企業や、商標登録に資金を投入できる企業に限られていました。
さらに、VMCには取得手続きや維持コストが発生します。たとえば、商標登録済みのロゴを認証するためには、VMCの価格は日本円にすると年間約20万円かかります。これに加えて、証明書の維持管理も中小企業にとっては大きな負担となります。
CMCの導入背景と使い方について
Common Mark Certificate(CMC)は、商標登録がないロゴでもBIMIを利用できるようにする新しい証明書です。
BIMIグループは、すべての企業がブランドロゴを認証し、メールの信頼性を高められるようにするため、CMCの開発を進めてきました。
結果、商標登録を持たないロゴもBIMIに対応できるようになり、中小企業や短期間のキャンペーンロゴを使用する企業にとって、BIMI導入の障壁が格段に下がりました。
CMCは商標登録されたロゴを必要としないため、企業は以前から利用しているロゴや、一般的な利用に基づくロゴをBIMI対応として使用することができます。
たとえば、季節的なキャンペーンロゴや社会的活動に関連したロゴを使用する企業は、CMCを利用してBIMIを導入し、メールマーケティングにおいても信頼性を向上させることもできます。
またCMCはブランドの認証チェックマークを表示しないという点でVMCとは異なります。VMCが商標登録されたロゴに対して認証チェックマークを表示するのに対し、CMCはそれが表示されませんが、それでもブランドロゴが表示され、ブランド認識が強化されるメリットがあります。
CMCを導入するためには – DigiCertからの購入案内 –
CMCを導入するには、DigiCert社から証明書を購入する必要があります。DigiCertは主要な証明書発行機関( Certificate Authority)であり、CMCの提供を通じて、商標登録されていないロゴでもBIMIに対応できるようにしています。企業はDigiCertのウェブサイトを通じて直接CMCを購入できます。
価格は以下の通りです。
- 月額料金::$99(約1万5千円)
- 年間契約:12ヶ月契約で$1,188(約15万円)
- 自動更新:年間契約は自動更新
この価格には以下が含まれます。
- ロゴの証明書発行とホスティング
- 24時間のカスタマーサポート
- DigiCert CertCentralを通じた証明書の管理
- 慣例や一般使用に基づくロゴの認証(商標登録は不要)
DigiCertでの購入手順
企業は、まず自社のメールドメインとロゴの所有権を証明し、その後DigiCertのオンラインプラットフォームからCommon Mark Certificate(CMC)を購入して認証手順に従います。
最後に、BIMIレコードをドメインのDNS設定に追加し、Gmailなどの対応プラットフォームでブランドロゴが表示されるように設定を行います。
https://www.digicert.com/tls-ssl/compare-mark-certificates
最後に
CMCの導入は、メールのセキュリティ強化とブランドの信頼性向上に大きく寄与します。特に商標登録が不要なことから、中小企業でも手軽に導入できる点が魅力です。
DigiCertなどのサポートを通じて、より多くの企業がBIMIを活用し、お客さまとの信頼関係を深めることが期待されています。
今後は、他のメールプロバイダーでもCMCのサポートが拡大することで、BIMIの標準化が進み、メールセキュリティの強化がさらに促進されるはずです。
GoogleがCMCをサポートしたことはメール認証技術の進化における重要なステップであり、ブランドと顧客の双方にとってメリットのある取り組みと言えます。