Google Workspace(Gmail)のPC版に登場!「配信登録を管理」機能とは何か
2025年11月、Google Workspace(Gmail)のPC版に「配信登録を管理(Manage email subscriptions)」という機能が追加されたことを確認いたしました。

この機能については、既に今年の7月にご紹介しているものになります。
メルマガの購読者がGoogle Workspace (Gmail)の画面にエンゲージメントされていないメルマガが集約され、そこから簡単にメルマガの配信停止ができるというものです。
従来のようにメール本文の最下部までスクロールし、細い文字で書かれた購読解除リンクを探す必要がなくなるため、ユーザーがメルマガを整理しやすくなりました。
この機能は、単に便利になったというだけではありません。読者側にも送信事業者側にも大きな影響を与えるアップデートであり、メールの世界全体が新しいフェーズに入ったことを示しています。
読者にとっては「読まないメルマガを整理する時代」の本格化
今回の機能により、メルマガの購読者が自分の受信トレイを整理整頓しやすくなりました。
いつ登録したかわからない毎日大量のメルマガが届く中で、本当は読んでいないのに惰性で放置してしまうケースはよく見られます。
しかし、読んでいないメルマガを放置し続けることは、実は送信元の配信事業者に迷惑をかけている可能性があります。
読まれていないメールが増え続けると、Googleの判断として
「この送信者(ドメイン)のメルマガは求められていない」
と評価されやすくなります。
結果として、メール送信用のドメイン評価が下がり、きちんと読みたい方に届くメールも迷惑メールに振り分けられる可能性が高まります。
つまり、読者が「これは読まない」と判断したら、積極的に配信停止することが、配信事業者を守ることにもつながります。今回のGoogleの機能は、この流れをさらに後押しするものです。
「今までありがとう♥️」
と、感謝の気持ちとともに、配信停止を行ってください。
メルマガの配信担当者にとって重大なメッセージ
今回のアップデートは、送信側に対しても明確なメッセージを示しています。それは
「読まれていない相手に送り続ける時代は終わった」
ということです。
開封されないメールを大量に送り続けると、ドメイン評価が下がるだけでなく、メール全体の到達率にも悪影響を及ぼします。
これは単なる理論ではなく、多くの事業者が実際に経験している現象です。読まれない配信を続けていると、本当に読んでほしいお客さまに届かなくなり、マーケティングの成果が下がることになります。
開封されないアドレスを放置することの危険性
読者の中には、メールアドレスをほとんど使わなくなる人や、過去に登録したもののもう利用していないケースも少なくありません。
このようなアドレスに配信し続けてしまうと、メールが届かないだけでなく、古いメアドがスパムトラップ化している可能性もあります。
こうした宛先に配信してしまうと、ドメイン評価が急落する危険があります。
読まれないユーザーを除外する重要性
送信事業者は、読者の行動を正しく把握し、一定期間開封のない人には配信を止める判断が必要です。これは単なる効率化ではなく、ドメインの健全性を保つための必須項目です。
当社では、
「過去〇日以上の期間でメールを1回も開封していない人」
という条件のかたを、メルマガの配信停止リストに入れております。
今回のGoogle Workspace(Gmail)の機能が広く認知されれば、読者が自ら配信停止するケースも増えるため、リスト管理の質はこれまで以上に問われるようになります。
これからのメール配信に必要な考え方
平成時代はメールをとにかく大量に配信すれば、魚は釣れるという時代でした。ただ、令和の時代。大漁に配信すると大海原から退場処分を受ける時代になっているため、次のような考え方が必要です。
量より質のリスト管理が重要になる
メールマーケティングは、以前のように「大量に送ればいい!メールが読まれる」という時代ではありません。むしろ、送れば送るほどドメイン評価が下がる可能性があります。
今回のGoogle Workspace(Gmail)の機能により、読まれないメルマガは簡単に停止されるようになり、読者の正直な行動が配信評価により反映されるようになります。
配信事業者に求められるのは、読んでくれているユーザーとの関係を大切にし、不要になったユーザーを潔くリストから外す判断です。
結果的にメールの到達率を高め、本来届けたいユーザーに確実にメールが届く状態をつくることにつながります。
メールクリーニングの重要性を忘れない
読者の開封状況に加えて、存在しないアドレスや古いアドレスを排除するメールクリーニングの必要性はますます高まります。スパムトラップを取り除けるのはメールクリーニングのみです。
クリーニングされたリストは、配信の成功率を高めるだけでなく、迷惑メールと判定されるリスクを下げ、本当に届けたい読者へ正しくメッセージを送るための基盤になります。
最後に
Google Workspace(Gmail)の「配信登録を管理」機能は、単なる便利機能の追加ではありません。
ユーザーは読まないメルマガを簡単に整理できるようになり、配信事業者は読者に選ばれる配信だけが生き残る時代に突入しました。
読者は、読まないメルマガを積極的に配信停止することが、自分の受信トレイを快適にし、配信事業者を守る行動にもなります。
送信側は、読まれていないユーザーに送り続けることがリスクにつながることを理解し、リストを適切に管理することが求められます。
これからのメールは、数ではなく質が重要です。
この変化を理解しているIT担当者ならびにマーケティング担当者だけが、メール配信の世界で長く生き残っていくことができるでしょう。