脳と身体の構造を知る

脳の構造はどうなっているのか

メルマガマーケティングを行うマーケターは、人間の脳を意識して欲しい。人間の体を動かす指令を出す脳。一体、どのような構造をしているのか。

寒い朝に目覚まし時計が鳴ったあの瞬間を思い浮かべて欲しい。2人の自分が存在していないか。「もう少し、寝ても大丈夫でしょ~」と思う自分と、「二度寝すると、遅刻するよ!」と反論する自分。

無意識の意識と、意識下の自分と2人の自分がいる。マーケターが意識しなくてはいけないのは、無意識の意識がパワフルであることだ。この無意識の意識に向けた情報発信でないと、なかなかうまくいかない。

「あなたは選挙に行きますか」という事前の投票率調査と、実際の投票率。正義感や義務感から意識的に発せられる回答と、無意識の意識が行う行動の結果が現れるのだ。

これを理解するには、人間の脳がどのような変化を遂げてきたか、その進化の歴史を理解する必要がある。

1960年代に、アメリカの脳神経学者である、ポール・マクリーン(Paul MacLean)が、人間の脳は3つの異なる領域からなると提唱した「三位一体脳モデル(Triune Brain model)」を理解しておくといいであろう。

彼は人間の脳が次の3つの領域からできていると提唱している。

  • は虫類または原始脳
  • 旧哺乳類または感情的な脳
  • 新哺乳類または理性脳

ワニやトカゲのは虫類が、感情を持たず生きるためだけ行動をする原始脳。次に、ライオンや犬・猫、馬などの哺乳類にある感情を表現する脳。そして、人類が実現できる論理的で理性に満ちた脳。人間の脳にはこの3つの脳が存在しているのだ。

生まれたての人間は旧哺乳類だ。ところが、成長の過程で新哺乳類に変化する。保育園や幼稚園に通っている児童を思い浮かべて欲しい。まだ、旧哺乳類の状態といっても過言ではないだろう。誰かへの配慮というものがなく、自分の快楽を得ることが行動の中心になっていないだろうか。

マーケターは、この児童に商品やサービスを販売するイメージを持つ必要がある。実にあわただしく、集中力がない児童だ。マーケターは、お客さまの意識脳に訴えかけながら、最終的にはこの生きること、快楽を得る“脳(無意識の脳)”へのアプローチを心掛けなくてはいけない。


無意識の脳に負荷をかけない

無意識の脳は忙しくて、気まぐれ。よく考えて欲しい。我々は毎日、意識脳を休ませるために睡眠をとっている。ところが、無意識の脳はどうだろう。ケガをしたら、無意識の脳は傷口を癒すため、24時間365日働き続けているのだ。とにかく、無意識の脳は忙しい。

マーケターは、無意識の脳に嫌われない努力をしなくてはいけない。無意識の脳は忙しくて、面倒くがり。負荷がかかることをとにかく嫌うのだ。意識脳を納得させても、無意識の脳という高い壁を乗り越えなくてはいけない。

プリモポスト代表者がメール配信する時間は、午前中が多い。その理由は、意識脳とのコミュニケーションが取りやすい時間に行動を促すようにしているのだ。そして、無意識の脳に働きかける段取りをするのだ。段取りをしておけば、無意識の脳とのコミュニケーションは非常に取りやすくなる。


脳に快楽を与える

脳を知れば、マーケティングは怖くない。コミュニケーションを取るお客さまは同じ人間の脳だからだ。脳は常に”快楽”を求めている。マーケターはどのようにすれば脳に”快楽”を与えられるか考えるのだ。

例えば、サラリーマン。サラリーマンは承認欲求という強烈な欲求で動かすことができる。上司に褒められるため、マーケターの商品やサービスをどのように活用すれば個人の評価が高まるか。提供する商品・サービスの価値は、個人の評価を高めるとPRするのだ。

また、脳は”痛み”から逃れるためにも、身体を動かすように指示をする。ところが、気をつけて欲しい。脳に”痛み”を与えすぎると、考えるのが面倒くさくなり、思考停止する。生命保険会社が作る「2人に1人ががんになる時代」というPR文言。このPR文言は一見強烈に見えるかもしれないが、脳を思考停止に追いやっていることが多い。

マーケターはPRを通じて”痛み”を与えるのではなく、どれだけ生活を豊かにする“快楽”を提供することができる商品・サービスなのか伝えていけば、きっと思い描いている結果を残せるだろう。


ペルソナの行動を推論する

マーケターが提供している、商品・サービスを手に取るお客さまが、どのような方なのか。データをもって推論することをおすすめする。その上で、一般的なマーケターが収集する、性別や年齢だけによる推論は誤った結果を導くことがあるので気をつけていただきたい。

例えば、20代と40代の女性。それぞれ独身であれば、同じような行動パターンを取る。一方、同じ20代女性でも“独身”と”既婚で子どもあり”では、まったく違う行動パターンを取る。年代と性別いう要素で相関関係を見出すのが困難なケースが出てくる。

ペルソナの行動を推論していくうえで、活用していただきたいデータは、お客さまの声(VOC)だ。お客さまの声を集め、行動パターンを分析していくことが、一番間違いないメソッド(当社では“お客さまの声”を活⽤したPDCA構築⽀援“を行っている)である。

マーケターの思い込みは失敗を招くことがある。お客さまは、それぞれの人生という山を登っており、登山の過程で見える景色はそれぞれだ。また、同じような山を登っていたとしても、登り方が全く異なることもある。お客さまが、どのような景色を見ているのか、素直に教えを乞うようにしよう。それが成功への近道だ。


配信時間、てにをは、フォント、写真、
デザイン、全ての積み上げを試し続ける

マーケターは告白上手であったほうがいい。メルマガを作るときは、好意を抱いている相手に想いを伝える手書きのラブレターをイメージするのだ。初恋を思い出して欲しい。想いを口頭で伝えるか、手書きの手紙にするか、LINEで伝えるか。自分で手渡すか、友人を介して渡すか。考えることが多かったはずだ。

マーケターは、毎日何通ものラブレターが届く校内no.1の人気者に想いを届ける取組と同じことをしている。優秀なマーケターが書いたラブレターと競争だ。封筒を手に取ってもらうための努力。封筒を開いてもらうための努力。無意識の意識を動かすための努力。初恋の時に経験をした、あの真剣な考察が必要なのだ。

たった1回のコミュニケーションで、校内no.1の人気者の気持ちが突然こちらに100%向くことは困難なこと。少しずつ興味を持ってもらえばいい。只々、真剣に向き合ってもらうための気遣いを怠ってはならない。


マーケティングにおける心理的原則

マーケティングの成功の鍵は、人々の心理を理解することにあります。マーケティング担当者はBtoB、BtoCにこだわらず、人間が相手であることを理解したうで、以下の原理や効果を把握したうえでマーケティング活動を行う必要があります。

  • 返報性の原理

    BtoBでは、無料のデモやサンプルを提供することで、顧客からの購入意欲を引き出すことができます。

  • 一貫性の原理

    企業が製品の品質やサービスを公言した場合、それを一貫して守ることで信頼を築くことができます。

  • 社会的証明

    BtoBでは、顧客のテストモニアルやケーススタディを共有することで、新しい顧客の信頼を獲得することができます。

  • 権威の原理

    業界の専門家からの推薦や認証を取得することで、製品やサービスの信頼性を向上させることができます。

  • 希少性の原理

    BtoBでは、限定オファーや特別なキャンペーンを提供することで、クライアントの関心を引きつけ、即時の行動を促進させることができます。

  • 選択肢のパラドックス

    人は選択肢が多ければ多いほど惹きつけられるが、選択肢が多ければ多いほど選択ができなくなります。

  • 損失回避の原理(プロスペクト理論)

    機会の損失や競合に遅れを取るリスクを強調することで、製品やサービスの価値を高め、取引の締結を促すことができます。

  • 確認バイアス

    BtoBのセールスやマーケティングでは、クライアントの既存の信念や認識を理解し、それに合わせた情報やソリューションを提供することで、信頼関係を築くことができます。

  • ハロー効果

    製品やサービスの一部の成功を強調することで、全体の品質や価値の認識を向上させることができます。

  • アンカリング

    価格設定や提案の初期段階でのアンカー価格を設定することで、後の交渉や評価の基準をコントロールすることができます。

  • コミットメントと一貫性

    クライアントに対して小さなコミットメントを求め、それを徐々に大きなコミットメントに変えていくことで、取引を成立させやすくなります。

  • ミステリー効果

    クライアントに対して、人間の自然な探求心を利用し商品やサービス、情報などに対する関心を高めことができます。