6か月使わないと届かない”Yahoo!メールアドレス”の刃(やいば)とは!
「かんたん、安心、使いやすい」のYahoo!メールアドレスは、令和の今でも日本国内で多くのユーザーが利用しており、メールマーケティングにおいては無視できない存在です。
実際、当社がメールクリーニングを実施した女性向けサイトでは、ユーザーの約3割がyahoo.co.jpのメールアドレスを使用しておりました。
しかし、Yahoo!メールには他のサービスとは異なるルールがあり、特にメールアドレスの無効化やCatch-allメールアドレスの存在により、配信リストの管理に細心の注意が必要です。
今回はYahoo!メールアドレスの特徴や注意すべき点、効果的な対応策について解説いたします。
Yahoo!メールアドレスの現状
無料のyahoo.co.jpのメールアドレスは今なお広く利用されています。昭和・平成の時代に生まれた方であれば、一度は利用したことがあるのではないでしょうか。
インターネットの普及初期からメールアドレスを取得して使い続けているユーザーも多く、年代問わず幅広い層に根強い人気がます。Gmail等にシェアを奪われながらも、無視できない存在であることは間違いありません。
一方で、Yahoo!メールには特有の運用ルールが存在しており、特にアカウントの無効化やメールのバウンスに対応するための戦略が不可欠です。
Yahoo!メールアドレスの無効化ルール
Yahoo!メールには、一定期間利用されていないアカウントが自動的に無効化される悩ましいルールが存在します。
具体的には、6か月以上使用されていないアカウントは「利用停止」され、この状態ステータスのアドレスにメールを送っても次のようなエラーメッセージが返ってきます。
事例1)Sorry your message to ***@yahoo.co.jp cannot be delivered. This account has been disabled or discontinued [#102].
事例2)554 delivery error: dd Sorry your message to ***@yahoo.co.jp cannot be delivered. This account has been disabled or discontinued [#102].
また、同じメールアドレスにメール送信をしても、上記の通り返信されるエラーコードがソフトバウンスとハードバウンス、それぞれ異なるケースがあるのです。
さらに、1年以上利用されていない場合、アカウントやデータが完全に削除される可能性があります。
Yahoo!メールの無効化スケジュール
Yahoo!メールには次のようなメールボックス利用の有効期限があります。
- 6か月間使用されていない場合:アカウントが利用停止され、メールは届かなくなります
- 1年間使用されていない場合:アカウントやデータが完全に削除される可能性が高くなります
このため、Yahoo!メールアドレスにメールを送信する場合、リストの定期的なメンテナンスが不可欠です。
無効化されたアカウントにメールを送り続けると、配信エラーが増加し、配信リスト全体の品質が低下してしまいます。
また、悩ましいことに7か月目にメールアドレスが復活する可能性があります。
利用停止されたYahoo!メールアドレスは、Yahoo!メールにログインし、利用停止のお知らせページで利用再開手続きを行うことで再び使うことができるのです。
https://support.yahoo-net.jp/PccMail/s/article/H000007378
無効化されたYahoo!メールアドレスに対する配信エラーとそのリスク
無効化されているYahoo!メールアドレスにメールを送信すると、ソフトあるいはハードバウンスのエラーメッセージが返されます。
これらのメールアドレスにメール送信を行うと、送信元のドメインレピュテーションが低下し、他の有効なアドレスにもメールが届きにくくなるリスクが高まります。
特にYahoo!メールの特徴として、ユーザが再利用する可能性があることから、ソフトバウンスが発生することがあります。
ソフトバウンスとは、サーバーの一時的な問題や受信者のメールボックスの容量不足などが原因でメールが届かない状態を指します。
この場合、一時的なエラーであるため、後日再送することでメールが正常に届く可能性が高いのです。
一方、アカウントが無効化されている場合は、メールを送信し続けても繰り返しエラーメッセージが返ってくるため、リストの早期クリーンアップが求められます。
Catch-allメールアドレスのリスク
Yahoo!メールのもう一つの特徴として、「Catch-allメールアドレス」の存在が挙げられます。
Catch-allアドレスとは、ドメイン内で存在しないメールアドレス宛に送信されたメールも受け取る設定がなされているアドレスです。
このため、ラッコツールズなどのメール検証ツールを使って無効化されているメールアドレスをチェックしても「有効」と返される場合がありますが、実際は無効なアドレスであるためメールは届かないのです。
Catch-allメールアドレスの問題点
Catch-allメールアドレスがリストに含まれている場合、ば配信エラーの原因となり、結果的にドメインレピュテーションが低下するリスクがあります。
検証ツールで「有効」と表示されても、実際には無効なアドレスであり、メールが届かない可能性があるため、慎重な対応が必要です。
Catch-allアドレスへの対応策
Catch-allメールアドレスに対する効果的な対応策として、以下の方法を検討しましょう。
(1)エンゲージメントデータを活用する
Catch-allが疑われるアドレスに対しては、過去のメール開封率やクリック率などのエンゲージメントデータを参考にし、アクティブなアドレスとそうでないアドレスを識別します。
(2)複数回のソフトバウンス確認
ソフトバウンスが発生した場合、すぐに除外するのではなく、再送信を試みます。再送時にエラーメッセージが返されるようであれば、そのアドレスをリストから除外する判断が必要です。
(3)リストの定期的なクリーンアップ
無効なアドレスやエラーメッセージが繰り返されるアドレスは、リストの品質を保つためにも定期的に削除する必要があります。
Yahoo!メールアドレスへの最適な対応策
Yahoo!メールアドレスの特性に基づき、マーケティング担当者が取るべき具体的な対応策を以下にまとめます。
ソフトバウンスへの段階的対応
Yahoo!メールアドレスにソフトバウンスが発生した場合、すぐにアドレスをリストから除外するのではなく、まずは複数回の再送を試みます。
ソフトバウンスが一時的なエラーであれば、次回の送信時に正常に届く可能性があるため、エンゲージメントが高いお客さまのアドレスは特に慎重に対応します。
過去の開封&クリックのデータの活用
ソフトバウンスや利用停止が確認されたアドレスについては、過去のエンゲージメントデータをもとに判断します。
エンゲージメントの高いアドレスはすぐに除外せず、再アプローチを試みることが推奨されます。一方、エンゲージメントが低いメールアドレスには、リストから早々に除外することも検討するべきです。
定期的なリストのクリーンアップ
Yahoo!メールアドレスの無効化ルールに対応するためには、メール配信リストを定期的にクリーンアップすることが重要です。
6か月以上エンゲージメントのないアドレスや、複数回の配信エラーが発生するアドレスを定期的に確認し、リストの品質を維持するために不要なアドレスを削除しましょう。
最後に
Yahoo!メールアドレスは依然として多くのユーザーに利用されていますが、特有の無効化ルールやCatch-allメールアドレスのリスクが存在します。メールマーケティングの担当者は、これらの特性を十分に理解し、メール配信リストの品質を維持するための適切な対策を講じる必要があります。
特に、エンゲージメントデータの活用や定期的なリストクリーンアップは、長期的なメールマーケティングの成功に欠かせない要素です。配信エラーやソフトバウンスのリスクを最小限に抑え、Yahoo!メールユーザーに対しても効果的なメールマーケティングを実現しましょう。