メルマガの「信頼度」を上げる!専用IPアドレスと共有IPアドレスの違いを徹底解説
メルマガマーケティングにおいて、メルマガが受け取ってくれる人のメールボックスに「確実に届くかどうか」は、ものすごく大切です。
なぜなら、GoogleやMicrosoft、そしてAppleなどのメールサービスを提供している会社は、メルマガを送る元となるIPアドレスの「信頼性スコア」を常にチェックし、評価しているからです。
では、メルマガ配信の担当者がキャンペーンを成功させるために、「メール配信用のIPアドレス」について、どのような知識を持っておくべきか整理していきましょう。
自社専用のIPアドレスを使うメリット
「専用IPアドレス」を持つことの最大のメリットは、その「信頼性」について「メルマガを送る皆さんが唯一責任を持つ」ということです。
これが、メルマガが受け取ってくれる人のメールボックス(メールを受け取るための専用の場所)に「無事に届くかどうか」を大きく左右する要因となります。
なぜなら、メルマガを送るIPアドレスの「信頼性」が、メルマガが「迷惑メールフィルター」や「ブロックリスト」に引っかからずに配信されるかどうかを大きく決めるからです。
大手CRMのMarketoとSalesforceにおける専用IPの利用
大規模なメルマガマーケティングのツールとして使われる2つのCRM(顧客関係管理システム)について見ていきましょう。月に10万通以上のメルマガを配信する会社は、専用IPの導入を検討する必要があるようです。
Marketoにおける専用IPの利用
専用IPアドレスの必要性
Marketoでは、専用IPアドレスは「メルマガを送る量が多いユーザー」に特に向いています。具体的には、月に10万通以上のメルマガを送るユーザーに対して専用IPの使用が推奨されています。
これは、専用IPアドレスを効果的に使うには、ある一定量以上のメルマガのやり取りが必要であることを意味しています。
送り手の評価を完全にコントロール
専用IPアドレスを使うことで、ユーザーは自社ドメインの「送り手としての評価」を自分でコントロールできます。
結果、送り手としての評価が他のメルマガ送信者の行動に影響されることなく、自社のメルマガ配信のやり方(配信頻度など)に基づいて評価されます。
安定したキャンペーンのペース
専用IPアドレスの「良い状態を保つ」ためには、安定したキャンペーンのペースを保つことが重要です。一定期間にわたって均一なメルマガ送信量を保つことにより、IPアドレスの信頼性を築き、維持することを意味します。
Salesforce Marketing Cloudの利用
Email Studioでの使用
Salesforce Marketing CloudのEmail Studioでは、専用IPアドレスが「自分だけの送り手評価」を管理するために使われます。つまり、自分たちのメルマガキャンペーンの「届きやすさ」(配信性能)を細かくコントロールできるということです。
送信量が多いアカウントへの推奨
月間で25万通以上のメルマガを送信するアカウントは、専用IPアドレスを使うことが推奨されています。
専用IPアドレスを活かしたメルマガ送信は、複数の人が共有するIPアドレスを使う場合と比べて、より精密な「送り手評価」と「届きやすさ」の管理が可能になるためです。
IPウォームアップのプロセス
Salesforce Marketing Cloudでは、新しい専用IPアドレスを使い始めるにあたって、「IPウォームアップ」が非常に重要なプロセスです。
これは、新しいIPアドレスから「少しずつメルマガの量を増やしていき」、メールサービスを提供している会社にそのIPを「信頼できる送り元」として認識させることを目的としています。
MarketoやSalesforceのようなプラットフォームでは、IPウォームアップが「届きやすさの質」を保つために欠かせません。
共有IPアドレスと専用IPアドレスの違い
複数の人が共有するIPアドレス(共有IPアドレス)を使うことは、多くの人が一つのアパートを共有して暮らすことに例えることができます。
この状況では、一軒家で暮らすのとは違い、住民一人ひとりの行動がアパート全体の評価に影響を与えます。
例えば、一つのアパートの住人が騒音を出したり、ゴミの分別をサボったりすると、その建物全体が「問題のある住所」として見なされる可能性があります。
同じように、共有IPアドレスを使う際には、他のメルマガ送信者の行動が自分のメルマガの「信頼性」に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、共有IPアドレスの一部を使っている他の送信者が「迷惑メール」を送った場合、そのIPアドレスからのすべてのメルマガが「怪しい」と見なされるリスクがあります。
これにより、他の全く「無害な」メルマガも、「迷惑メールフィルター」によってブロックされる可能性が高まります。
このように、共有IPアドレスを使うことは、他の送信者の行動に左右されるリスクを含んでいます。
そのため、共有IPアドレスを使う際には、そのプロバイダーの「評判」や他の利用者の「行動パターン」をよく把握し、適切な管理と監視を行うことが重要です。
「自分で管理するメルマガの届きやすさ」
を最大限に確保し、「信頼性の高いメルマガでのコミュニケーション」を維持することを目指すのは、メルマガマーケティングにおいて欠かせません。
最適なIPアドレスの選択
適切なIPアドレスを選ぶことは、メルマガマーケティング戦略において重要です。専用IPアドレスは、大量のメルマガを定期的に送信する「大規模なメルマガマーケター」に向いています。
専用IPアドレスを使うことで、メルマガ送信者は自分のメルマガ送信の「信頼性」を「自分自身の力で築く」ことができます。
これにより、送られるメルマガが「迷惑メールフィルター」や「ブロックリスト」に引っかかるリスクを最小限に抑え、受け取ってくれる人のメールボックスに直接メルマガを届ける可能性が高まります。
専用IPアドレスは、メルマガ送信者が自分自身の送信履歴と評判をコントロールし、受け取ってくれる人に対して高い信頼性を保つことを可能にします。
最後に
IPアドレスの「評判」(レピュテーション)を確認するためのオンラインツールも非常に重要です。
これらのツールは、IPアドレスが「どのように評価されているか」、また「ブラックリストに載っていないか」などの情報を提供し、メルマガ送信者が「メールの届きやすさ」を最適化するのに役立ちます。SenderScoreのサイトなどを活用してみてください。
ビジネスの規模、メルマガを送る頻度、「届きやすさ」に対するニーズを考慮した上で、最適なIPアドレスのタイプを選ぶことが重要です。
正しいIPアドレスを選ぶことは、メルマガマーケティングキャンペーンの成功に直結し、受け取ってくれる人との信頼関係を築く上で欠かせないものとなります。