メールにおけるウェブセーフフォントとウェブフォントの重要性
HTMLでメールを作る場合。メールデザイナーがメールに使えるフォントには、2つの異なる種類のフォントがあります。ウェブセーフフォントとウェブフォントです。ウェブセーフフォントは、幅広い互換性を持ち、ほぼ全てのOSやデバイスでサポートされています。一方、ウェブフォントは、より柔軟なデザインと個性的なブランディングを実現しますが、すべてのメールクライアントでサポートされているわけではありません。
それぞれのフォントについてみていきたいと思います。
ウェブセーフフォントについて
ウェブセーフフォントは、インターネット上でのウェブページデザインにおいて、幅広い互換性を持つフォントを指します。
これらのフォントは、ほとんどのオペレーティングシステム(OS)やデバイスにデフォルトで搭載されているため、ウェブデザイナーや開発者がウェブサイトを作成する際に頻繁に利用されます。
代表的な例としては、Arial、Times New Roman、Verdana、Georgiaなどが挙げられますが、日本語のウェブセーフフォントについても考慮することが重要です。
日本語のウェブセーフフォントの選択は、英語圏のフォント選択と異なる側面があります。日本語には多数の文字が含まれるため、フォントはこれらの文字を適切に表示できる必要があります。また、日本語の文字は複雑な形状をしているため、読みやすさやデザインの美しさを保つことも大切です。
日本語のウェブセーフフォントとして広く使用されているのは、MSゴシック、MS 明朝、メイリオ、游ゴシックなどです。
MSゴシックとMS 明朝は、Microsoft Windowsにデフォルトで搭載されているフォントで、それぞれゴシック体と明朝体を代表しています。Meiryoは、Windows Vista以降に搭載されており、画面表示に適した美しいゴシック体フォントです。游ゴシックは、Windows 8以降に搭載され、メイリオと同様に画面表示に最適化されています。
最新の情報によると、Windows 11には「游ゴシック UI」が標準フォントとして用いられており、それ以前には「メイリオ」や「Meiryo UI」が使用されていました。
また、Windows 11には、新たに「BIZ UDゴシック」などの日本語補助フォントが追加されています。これにより、日本語フォントの選択肢がさらに広がり、ウェブデザイナーや開発者にとって多様なデザインの可能性が拡がっています。
これらのフォントは、日本語ウェブページにおいて一般的な選択肢であり、多くのユーザーのデバイスで正確に表示されることが期待できます。しかし、ウェブデザインの国際化が進む中で、英語のフォントと同様に、日本語フォントも異なるOSやデバイス間での互換性を確保することがますます重要になっています。
スマートフォンやタブレットなど、異なるデバイスでの表示を考慮した選択が必要です。モバイルデバイスの普及に伴い、小さい画面でも読みやすいフォントの選択が重要になっています。
ウェブデザイナーやマーケティング担当者は、これらの日本語ウェブセーフフォントを活用することで、異なるユーザーが異なる環境でウェブサイトを閲覧しても、デザインが崩れるリスクを最小限に抑えることができます。日本語ウェブページのデザインでは、これらのフォントを効果的に組み合わせ、ユーザビリティと美的魅力の両方を考慮することが求められます。
ウェブフォントについて
ウェブフォントは、ウェブデザインの世界における革新的な役割を果たし、デザイナーに広範なデザインの可能性を提供しています。
これらのカスタムフォントは、ブランディングやユーザー体験の向上において重要な要素ですが、日本語を含むマルチリンガルな環境では、利用にあたって制約があります。特にメールマーケティングの分野では、この問題が顕著になります。
メールマーケティングにおいては、メールのコンテンツが一貫性を持ち、正確に表示されることが重要です。しかし、すべてのメールクライアントがウェブフォントをサポートしているわけではありません。特に日本語のウェブフォントは、サポートが限られている場合が多く、メールが意図した通りに表示されない可能性があります。このため、メールマーケターは特に注意が必要です。
ウェブフォントを使用する際の一つの解決策は、代替のウェブセーフフォントを用意することです。
これは、ウェブフォントをサポートしていないメールクライアント用のバックアップとして機能します。このアプローチでは、優先順位の高いフォントのリストを作成し、第一希望のフォントを使用できない場合にはリストの次のフォントに自動的に切り替わります。CSSの活用です。
ウェブフォントとウェブセーフフォントを組み合わせて使用する際の一般的な方法は、CSSのfont-familyプロパティを利用します。このプロパティを使うことで、複数のフォントを優先順位に従って指定し、ブラウザがそれらのフォントのうち利用可能なものを選択して表示するように設定できます。
以下は、ウェブフォントとウェブセーフフォントを組み合わせた具体的なCSSの事例です。
body {
font-family: ‘Roboto’, ‘Arial’, sans-serif;
}
この例は、まず「Roboto」というウェブフォントを指定しています。もし「Roboto」が利用可能でない場合、次に「Arial」というウェブセーフフォントが使用されます。どちらのフォントも利用できない場合には、デフォルトのサンセリフ体フォントが使用されます。
例えば、デザイナーが特定のウェブフォントを選択した場合、そのフォントがサポートされていないメールクライアントでは、日本語の場合はMS ゴシックやメイリオなどのウェブセーフフォントが使用されます。これにより、メールのコンテンツがオリジナルのデザインに近い形で表示されるようになります。
ウェブフォントの使用は、メールマーケティングにおける魅力的なデザインの可能性を広げる一方で、技術的な課題も伴います。ウェブセーフフォントを代替として用意することは、これらの課題に対処するための効果的なアプローチです。
デザイナーとマーケターは、最新のトレンドや技術の進歩に適応しながら、ユーザーに最適な体験を提供するために、これらの要素を組み合わせて利用する必要があります。
最後に
メールデザインにおけるフォントの選択は、単に視覚的な魅力を超えた意味を持ちます。ウェブセーフフォントとウェブフォントの適切な組み合わせは、メールマーケティングキャンペーンの成功に不可欠であり、ブランドのイメージを高め、受信者のエンゲージメントを促進します。
日本語を含むマルチリンガルな環境では、異なるOSやデバイス間での一貫した表示を確保するために、これらのフォントの互換性と美的特性を考慮した選択が特に重要です。
メールデザイナーは、技術的な制約に対処しながら、最高のユーザー体験を提供するためにこれらの要素を組み合わせて使用することで、メールマーケティングの効果を最大化することができます。